ライブ・エンタテインメント市場2024年確定値7,605億円で過去最高更新——ぴあ総研、2030年8,700億円予測へ上方修正、リアル+デジタルの二輪構造定着
- 5 日前
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ぴあ総研が発表した2024年の日本国内ライブ・エンタテインメント(音楽・ステージ)市場規模は、対前年10.9%増の7,605億円となり、過去最高を更新した。コロナ禍前2019年(6,295億円)比で20.8%増、2023年(6,857億円)比でも10.9%増と、二桁成長を維持する局面に入っている。2030年予測値は8,700億円(年平均成長率2.4%)と上方修正されており、市場は「回復」から「次の成長期」へとフェーズを移している。
成長の主要因として、ぴあ総研は3点を挙げる。第一に、新型コロナ5類移行後の人流活発化と国内外旅行需要との相乗効果。第二に、首都圏を中心とした大規模会場の増加(K-Arena Yokohama・MUFGスタジアム[国立競技場]など)による興行規模の拡大。第三に、チケット単価の継続的上昇。これら3要因が同時に働き、市場拡張を支えている。
政策的位置付けとして、ライブ・エンタテインメント市場の成長は、コンテンツ産業が日本の基幹産業の一つとなる過程の中核に位置している。海外売上20兆円目標と並走する形で、国内ライブ市場の成熟がアーティスト育成・制作インフラ・周辺産業(チケッティング・物販・配信)の拡張を呼び込む。デジタルライブエンタメ市場(2024年約1,000億円規模)も並行して拡大しており、リアル+デジタルの二輪構造が定着しつつある。
音楽業界への意味として、最大の構造変化は「ライブ収益が音楽業界の主要キャッシュフロー」になった点である。フィジカル販売が縮小し、サブスク収益が薄く広く分配される時代において、ライブ動員と単価上昇は、アーティスト・所属事務所・レーベル全体の収益基盤の中核を担う。中堅以下のアーティストにとっては、ホール~アリーナクラスへのキャパ拡張がキャリア設計の最重要マイルストーンとなる。
業界視点として、市場拡大を牽引するのは大型公演・大型会場が中心である一方、小~中規模ライブハウス・ホールクラスの稼働率と収益性については、構造的な課題が残る。会場供給の偏在(首都圏集中)、チケット二次流通の取り扱い、サポートスタッフ人件費の上昇、地方公演の採算性確保が、業界全体の持続可能性を左右する論点として残っている。
ZEN編集部視点として、独立アーティスト・中小レーベル領域にとって、本市場拡大は「アリーナ動員までのキャリアパス設計」を再考する好機となる。CREATIVE LAB登録アーティストにとっては、リリース戦略とライブ動員計画を一体設計し、配信→ファンベース構築→ホール~アリーナクラスへのキャパ拡張という3-5年スパンの段階設計が、市場の追い風を最大化する基本フレームとなる。
出典: ぴあ株式会社「ライブ・エンタメ市場、想定を超えて最高更新。2030年予測も上方修正/ぴあ総研が2024年確定値および将来予測値を発表」/ ぴあ株式会社「ライブ・エンタテインメント市場、回復を経て次なる成長局面へ」/ Yahoo!ニュース(柴那典氏)「コンテンツ産業が日本の基幹産業の一つとなった2026年。音楽業界が進む道は」



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